家を買う

   

第1営業部のシュウトウです。

今回のお題は『家を買う』。

といっても、シュウトウが買うという話ではなく、一般に家を買うと思うときの心構えみたいなことをお話しようと思います。
ただし、あくまで個人的な経験に基づく所感ですので、違う考え方もあるということが前提です。

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1 「買いたい」が先か、「買える」が先か?

どんなものでも「買いたい」から買うのは当然のことで、欲しいという動機が先行する買い物であれば、結果がどうあれまずは良いのではないかと思います。

ただ、人間って意外と高価なものこそ衝動買いしてしまうものです。

本当に欲しいと思っていたわけではないのに、なんとなく手に入りそうだと分かった途端に火がつく、なんてことは良くあります。
それに不動産を買うなんてそうそうないことですから、買うべきかどうか経験的に比較することができませんよね。
ハウスメーカーや不動産仲介業者から積極的なクロージングを受け、あれよあれよという間に外堀が埋まっていき、融資などお膳立てが整って「買える」となると、なんとなく引き返せなくなるものです。

後述しますが、住宅ローンを背負って家を買うという行為は、経済効率的には確実に『損』です。
理論上の『損』をとってでも欲しい、つまり「買いたい」という確固とした動機に基づいて行う消費は、前述したように決して悪いものではないと思います。
でもそこを置き去りにしながら「買える」からという理由先行で買うとなると、後々後悔することになるかもしれません。

・本当に高額かつ長期の借金を追うべきか?
・家を所有するうえで必要なローン支払以外の負担はちゃんと考えているか?
・転勤や移住の可能性はないか?

このあたりはよく考えたうえで、さらに「そもそも買いたいのか、自分?」と初心に立ち戻ってから、冷静に判断してもらえたらと思います。

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2 戸建か、マンションか

この問題には地域差があります。
東京23区内であれば圧倒的にマンションが多いでしょうが、全国的にはそもそも分譲マンションのない地域がたくさんあります。
ですので、これは札幌に限定した話として。

札幌は政令指定都市とはいえ面積が広く戸建を建てやすい用途地域も多いため、戸建の価格は安定しています。
一方で利便性の良いエリアには近年多くの分譲マンションが建設され、選択の幅は広がったように思います。
価格的にみれば、必ずどちらかがお買い得とはいえない印象です。

では戸建とマンション、どちらが良いのか?
実際意見の割れるところです。

それぞれのメリットを比較してみます。

<戸建のメリット>

・土地を所有できる
・原則居住や敷地の用途に制約がない
・増改築の自由度が高い

<マンションのメリット>

・基本的に立地が良い
・高層階では眺望を期待できる
・一般に鉄筋コンクリート造のため断熱性が高い
・除排雪の負担がない
・管理人がいる

こうして比べてみると、どの要素に重きを置くかで判断が分かれそうです。

例えば、高齢の方や身体が不自由な方には、冬の除雪の苦労がなく、管理人が常駐しているマンションが良さそうです。
一方で大型犬を飼っていたり、車を複数台所有している方であれば、戸建の方が魅力的かもしれません。
希望するライフスタイルでも変わりますし、どちらが良いとはいえません。

でも、それでは元も子もないので、ひとつだけ意見を。

勤労世代なら、戸建をおすすめします。
集合住宅でない住居は、自由にできる分、手間もかかります。
維持管理の面で、自身で考え自身で行動しなければならないことは戸建の方が多いと思います。
はっきりいって面倒です。

でも、その分「自分のもの」という感覚は強く持てるはずです。
手をかければ、それだけ愛着を感じられるものです。
自身や家族の成長とともに変化し、自分たちの色になっていく楽しみが戸建にはあります。

自宅をバックに、毎年家族写真を撮るのも良いですよ。

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3 土地は計算、建物は直観

中古の住宅を買おうとする人から、よくその選び方についてアドバイスを求められることがあります。
そんなとき、私は必ず「場所はよくよく計算して、建物はインプレッションを大事にして選んでください」と答えています。

<土地は計算>

土地の価格は時期によって上がり下がりするものですが、それでも一定の価値は担保されているものですし、短期間に乱高下することも稀です。
一般論ですが、長期的な資産としての価値は、建物よりも土地の方が安定的に計れます。

建物の価値は所有した瞬間から下がっていくため、当然10年後、20年後の価値は経過年数相応に低くなり、最終的には「価値なし」となります。
実際に、価値のつかない建物のある土地を売却しようとすると、通常実勢では土地の評価額から建物の解体費用を差し引いた価格となります。
つまり価値なしどころか、マイナスです。

資産形成という視点から自宅の購入をみたとき、土地はきちんと計算して選ぶことが重要です。
できればあらかじめ実際にその地域に住んでみて、周辺環境、近隣の様子、近隣に空家が多くないかなどを体感してください。
そして候補地が見つかったら、日照、土地の形状、前面道路の接道状況などで違和感がないか、冷静に判断してください。
さらに、将来の価値は不動産業者にも分かりませんが、知りうる範囲で価値が大きく下がるような要素はないかも確認してください。

<建物は直観>

土地と違い、建物選びは感覚が肝。
新築は別にしても、中古住宅を買うときはファースト・インプレッションを大事にしてください。

まず、建物は前述のとおり価値がなくなっていくもの。
短期的な所有でなければ、将来的な資産価値を追求する合理性はあまりありません。

それから、建物は必ず不具合が出てきます。
また、間取りが思いのほか使いにくかったり、細かな仕様が気に入らなかったり、実際に住んでみて分かることも多く、事前に完璧な物件かどうか判断することは不可能です。

そういう問題が発生したときでも、その家が「気に入ってる」と愛着をもって受け止められればストレスは少なく済みますし、不具合の解消にも前向きに取り組めます。
でも、打算の結果、高いと思いつつ買ったのなら少しのことでもショックに感じるうえ、経済的にもダメージがあります。
反対に比較的安いと踏んで買ったとしても、その対応は「仕方ない」という後ろ向きな思いですることになり、また理論上是正費用が購入価格に上乗せされることになり、ますます満足感が遠退きます。

ですので、建物は気持ちのうえできちんと納得できるかどうかが重要です。
予算の範囲内で色々見てみて、初見で「良い気がする」と直観的に思えたら、とりあえず合格。
複数の物件で迷ったら、建物については余計な計算はせず、内覧時の印象や感覚を思い出してしっくりくるかどうかで決めることをおすすめします。

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4 住宅ローンは「負の借金」

個人的にはここが一番のポイントと考えています。
住宅ローンを組んで自宅を買うという行為は、金融・投資目線では大きなマイナスです。

住宅ローンを利用するということは、経済的(直接的)利益を生まない対象に対して、与信の大部分をつぎ込んで高額な借金をするということですから、借入を境に金融機関にとっては与信上の余裕がない、すなわち返済能力の低い相手になる、ということを意味します。

もし将来起業したり、不動産投資を始めたいと思っても、住宅ローンを抱えていると金融機関の評価はかなり厳しいはずです。
事業のための借入が難しいというのは、人生設計の自由度を阻害します。
特にこれからの時代、サラリーマンといえども会社に依存し続けるのは難しいかもしれません。
自身のキャリアを見直してチャレンジしようとしたとき、高額な住宅ローンは足かせになるばかりです。

そうならないためにはどうすべきか。
住宅ローンを組む前に、事業融資を受ければ良いのです。

事業融資を受けたとしても、きちんと利益を上げていれば金融機関は追加融資にも前向きに取り組んでくれます。
なぜなら事業融資は「投資」であり、投資活動により収益を上げたという事実は、金融機関にとってはさらなる与信力がついたとみなすからです。

「正の借金=投資」によって資産を増やせば「負の借金=住宅ローン」はいつでも組めます。
でも、その逆は難しいのです。

住宅ローンを背負うということは経済的にはマイナスで、マイナスから始めてプラスを目指すのは困難。
個人的には、プラスを作ってからマイナスを選択しても良いのではないかと考えます。
もちろん、そもそも強固な資産背景のある人であれば、ある程度の住宅ローンを組んでも与信上の余裕はあるので問題はないのですが。

そのため、私は本業をもつ勤労世代、とくに30代の方たちに不動産投資を勧めています。
住宅ローンを検討する前に、ぜひアパートローンを検討してください。

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さて、「家を買う」ことについて、シュウトウの個人的な見解をお話してみました。
異論もあろうかと思いますが、改めて考えてみるきっかけになれば幸いです。

一生に一度あるかないかの大きな買い物です。
しっかり考えて、後悔しない選択をしてください。

そして、迷ったときはぜひご相談ください。
きっとお役に立ちます。

 - 1F 第1営業部