「ウェルト」とは?

      2017/07/03

フロントオフィスのシュウトウです。

はじめてお会いするお客様や同業者様に、よく「『ウェルト』って、どういう意味?」と聞かれます。
ちゃんとお伝えしようとするとお時間を頂いてしまうため、普段はあえて端折ったご説明になってしまうのですが、ここではちょっと詳しくご説明したいと思います。

「ウェルト」とは、革靴を構成するパーツの名前です。
すべての革靴に必ず使われているという訳ではありませんが、一般に高級な製品で使用されています。
「ハンドソーン・ウェルト製法」や「グッドイヤー・ウェルト製法」という製法の靴で、その重要性から製法の名称にもなっています。

「ウェルト」そのものは、長いひも状の革です。
甲部(アッパー)と中底(インソール)、本底(アウトソール)を結びつけるためのパーツであり、靴は「ウェルト」によって一体となります。
製品となった靴ではほとんど目立ちませんが、よく見ると分かります。

高級な製品に「ウェルト」を使った製法が用いられるのは、主に次の二つの理由が考えられます。

一つには、傷んだパーツを交換することができる、という利点があるため。
主要なパーツがすべて「ウェルト」によって結ばれているので、「ウェルト」から外すことでそのパーツだけ交換できます。
特に本底は消耗部材ですから、長く履いていくうちには何度も交換することになります。

もう一つは、履き心地の良さ。
構造上、中底と本底との間にスペースができるのですが、そこにコルクなどの詰め物をすることで適度な弾性が生まれて履き心地が向上し、また履くうちにその人の足に合わせて変形し馴染んでいきます。

ヨーロッパでは、靴は自分の足に合ったものをメンテナンスをしながら長く履き続けることを良しとする文化があります。
何十年という使用に耐え、至高の履き心地をもたらす、それが「ウェルト」を使った靴であると考えられているのです。

さて、ではなぜ社名が「ウェルト」なのか。

私たちの基幹事業は、不動産売買の仲介です。
仲介とは、人と人、人と物(不動産)、人とサービスを結びつける仕事です。
それは「ウェルト」の役割そのものといえます。

また、私たちは、弊社と関りを持って頂いた方々に、その後も継続的なお付き合いを望まれるような企業になりたいという理念をもって日々の業務に取り組んでいます。
それは、換言すればお客様にとっての履き慣れた一足の靴になることに外なりません。

私たちはより良い仲介者として周囲を結び付け、確実で上質な付加価値を提供し、着実な成長と日々の誠実な取り組みを土台とした信頼によって、皆様に長く愛されるような企業になりたいと考えます。

ちょっと回りくどいのですが、そんな「ウェルト」のような企業を目指して、社名としました。

社員一同、社名に恥じぬよう、これからも一歩一歩、皆様と共に歩んでいきたいと思います。

 - 1F 第1営業部